店舗数の壁が立ちはだかる

   2016/12/25


あなたの会社は、今、どの段階にいるか


・創業時には
「一号店」のことを全力で考えます。とりあえずオープンさせたので日々改善です。お客さまは来てくれるだろうか、味は受け入れられるだろうか、まじめに心配します。全部自分でやります。二号店のことなんて考えません、まずここからです。
一号店から「業態を明確化する」ことに留意してください。ここをしっかりしておけば改善も改良も変更も可能です。これをやっておかないと、「不具合を解消する」ことで終わってしまい、コンセプトからズレ始めてしまいます。

・数店舗の時は
オペレーションの改善も進み、だいたい営業のパターンも読めてきたのですが、既存店の業績がばらついていると「次の物件」まで気が回りません。次が決まるまでは”足踏み状態”が続いてしまいます。
「狙った業態」を追求し続けることとと、「なんか新しい店」を出すこととは戦略上は別物です。なんか新しい店を探すことは(そういう戦略もあるのですが)その近所に似たような店が無ければどうにかできてしまいます。

・10店舗くらいになると
同じタイプで出せていると「今後の店舗展開」という課題で拡大を考え始めます。いくつかのタイプを持ってしまうと「主力業態」と「その他」に分かれてきます。主力業態に「多店舗展開」の強みの有無が問題となります。でもみんな「11店舗目」のことを考えます。他のことはさておき、「物件探し」が主テーマになってきます。このころ、幹部という人が育ってきます。

・本部機能(店全体の管理)が必要になって
幹部は現場から本部に上がりますが、業務は「店の補佐」ばかり。自分が店にいたころには気にならなかった人手不足にも気づきます。採用や教育も全社的にやることになり、コンサルタントの先生に教わりながら、他社より良い条件でスタッフ募集をして応募を待ちます。ついでにいろいろな仕組みづくりも教わります。だけどそれって「店のこと」ばかりです。本部に上がって「店のこともよくわかっていなかった」ことがわかりました。そんな事情におかまい無しにバイト君は、慣れたころ卒業していなくなります。ゼロからやりなおしになります。

・店舗数は増え続け
幹部は、”先生”に教わりながら、店の従業員は幹部の指示通り、全社一丸となって今の段階での売上目標を目指してがんばっています。
トップは、店のことは幹部に任せ、店舗数の増加に合わせて異なってきた課題に直面しています。きちんと考えないと”手遅れ”になってしまいそう。創業の時から会社の組織化って必要だとかはわかっていたのですが、今、資金に余裕があったとしても、超難題であることがはっきりしてきました。
できる人がいません。自分でも初体験です。

課題はどの企業にも一律に発生します。ある日いきなり「すべきこと」が大量に発生して(気づいて)一気にはできない状況に陥ります。経営(成長戦略)はオーダーメイドで、ワンパターンの解決策って無いのです。順番にやれば大丈夫でもないのです。あなたの会社の事情に合わせた対策を立てなければなりません。できれば創業時から。
課題は先送りしで、わかりやすい「店の拡大」や「新業態開発」に飛びつきたくなります。がんばっている気分になれるから。(K)

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コメント一覧

  1. piatperi より:

    掲載の図版は、創業からの経営者の基本的ニーズの変遷です。店舗数やトップの発想による「飲食店経営の壁」です。これを超えると「トップの意識の壁」、「成長戦略の壁」といったさらに難問が待ち構えています。はっきり言えるのは「店舗数の拡大」は必ず限界が来ます。国内の胃袋から海外の胃袋を狙うのもひとつの戦略です。拡大だけでなく、「個性的な老舗専門店」や「地域限定数店舗」もひとつの戦略(選択肢)です。
    ※「戦略策定とは」のイントロ講座が用意されてます。こういう店数の時はこうしたほうがよいといった定番はありません。実戦はすべて”オーダーメイド”になります。