経営戦略と分析の体系と業態明確化表

   2017/03/13


副題:業態開発作業(業態明確化作業)を有効化するために。

本投稿は、経営戦略策定での初期段階で、頭の片隅に置いておいてほしいことの第三弾です。
既存投稿を参照してください。
第一弾:
戦略策定(市場を見る)では、
市場のニーズがどのように発生しているかを軸に図解しました。
第二弾:
経営戦略とは思いの達成手段ですでは、
戦略策定が理念からスタートして、全体全社戦略・機能戦略・実行戦略へという構造を図解しました。

▼第三弾:戦略と分析の体系全体像
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図は「戦略体系」と「分析体系」を組み合わせたもので、どの段階でどのような作業をしなければならないかを解説したものです。
▼理念系(紫色)では
理念の明確化・ミッション(使命の開発)・ビジョン(市場の変化を読み切る)
▼戦略系(青色)では
戦略を策定する・組織をつくる・統制する
・全体戦略(全社戦略)
・事業戦略(事業推進の方法)
・機能戦略を策定する(役割分担組織づくりとそこでの戦略)
※「経営戦略とは思いの達成手段」では、?理念系・?戦略系・?現場マネジメント系としてまとめられています。
▼分析作業(黒色)では
?環境把握
・社会と景気(政治・経済・社会・技術)
・市場動向(参入する対象市場の状況把握)
・自社の現在(体制・得意分野)など。
?事業構造把握(対象市場の事業特性把握)
?顧客(にとっての)価値・自社が提供できる価値
?競争状況(市場内ポジショニング・参入領域)
?戦略統合(全体調整)
6競争力確保のしかた(強みの明確化・強化)
?オペレーション(マネジメント方式)の決定など。
▼市場戦略(緑色)では
・ドメイン(参入領域の設定)
・コンセプト(何屋をつくったのか?)
・ブランディング(こう思われたい!)など。
狙ったゴールに到達するために各種の決定。
戦略策定とは、こういった分析結果に対しての判断を積み重ねて確定させます。

▼経営戦略(分析項目)と業態明確化表(コンセプト表)との関係
外食産業では、店舗開発(業態開発)は、「業態明確化表(業態コンセプト開発表)注1」にまとめられます。そこに書き込むことは、「必要な分析後の結論」であればよいわけです。出店に慣れてくると、えてして業態明確化表が(それが得意な誰かにより)単独でつくられ、独り歩きを始めてしまいます。
・「つくってみたい店」を開発しだします。
・「現在顧客」から発想してしまいがち。
・流行っている店の「コンセプト」を参考にしてしまいがち。
そういうことのないように、毎回、同じ手順で、同じ分析をして、”必要な判断”をしてから出店するのがよいのです。開発担当者の”個人的思い”だけでは価値がありません。
さらには、この手順や内容を、自社独自のもの(社内文化)として定着させると、「外さない開発」が可能になります。組織に知恵が残るのです。誰かが辞めたらリセットされてしまうこともなくなります。
(注1)業態明確化表の書式は、各社いろいろあると思いますが、この図解業態明確化にあるような項目の分析・判断を踏まえて、結論やコンセプトが記載されます。、

図は、「分析手法の関係性」と「業態明確化表のポジション」を表現したものです。「分析手法」は、全部が ”輸入物” なのでどうしても「English」になってしまいます(これからのみなさんは、ぜひEnglishをマスターしましょう、必須です。)

▼上からの流れ=
企業戦略からの「店の体制(供給などバックヤード含む)」
▼下からの流れ=
市場判断からの「お客さま(の求める価値)」を明確化し
この2つを「店という場」でマッチングさせることになります。
このとき力を発揮するのが基本(核)である「コンセプト」なのです。

▼コンセプトが

・団子の串のように各要素をつなぎます(一貫性を確保する)
・接着剤のように要素間を固めます(整合性を確保する)
・箍(たが)として全体を整えます(統制力を確保する)

開発した「企業理念・事業理念・店舗コンセプト・商品コンセプト・サービスコンセプト」などが、日々”ちゃんと守られているか、実現できているか”を見張らないとすぐに崩れ始めます。現場に具体化できなければ、それこそ「コンセプトなんて絵に描いた餅」です。
「店を作って終わり」ではなく、「コンセプトが具体化する(=お客さまに認知される)」まで、追求の連続です。経験則ですが「開店景気の維持できる2か月以内」に、それなりの完成度にしておくことが肝心です。

※業態明確化の方法・コンセプトの役割(機能)などについては別投稿で引き続き詳しく解説します。
※「用語」について予習する方は、「検索」していただくとたくさんの解説がネット上にあります。
(K)

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コメント一覧

  1. KASEDA より:

    KASEDA流サイトにようこそ。
    店の業態開発の前に、会社の戦略開発が不可欠です。小規模企業の時には「店」はあるが、「会社(組織)」はありません。会社づくりは創業と同時に行いましょう。規模が小さい時(=資金力がない時に)やり過ぎてはコスト増になるだけ、みんなここを心配して、何もしないで時間が過ぎて行きます。考えましょう。