店の構えを企画する(2)

 

飲食業は、「製造(調理)」と「販売(応対)」、さらには「消費(お食事)」までが、「(店舗という)同一の場」で行われる究極のサービス業です。売りものは、「商品(モノ)」ではなく「お食事を提供するサービス」です。ゴールは「お帰りのときに満足していただいている」ことです。「お食事満足提供業」という業界です。
満足していただける「店の構えを企画する」のが業態開発です。

以下の図(イラスト)は、80年代、ファミリーレストラン全盛期に、飲食業マーケティング理解のために描いたものです。「お客さまと店舗の構え」の全体図です。社会状況の変化や技術の革新はあったものの、「食べに来てもらって、食べて帰る」という構造はまったく変わりません。「自宅(または会社)にいるお客さま」に、ご来店いただいて、満足してお帰りいただくために考えるべき全要素がここにあります。(※詳しくは「業態明確化」の要素図解を参照してください。)

お客さまと店舗の構えの全体図

・家にいる消費者      (来店したら顧客)
・広告や販促でご来店いただく(来店促進)
・店舗でお迎え、席にご案内 (立地・店舗・客席)
・注文を受け、キッチンで製造(仕入れ・調理・料理)
・出来上がったら、客席へ提供(サービス)
・お食事して、お会計    (料金・支払い方)
お迎えからお見送りまで、この構えの全工程(サービスプロセス)で「顧客満足」を目指します。「お店と従業員のサービスのしかた」が、お客さまから「評価」されます。顧客との直接接点でサービスを行う「従業員の教育」はとても大切です。

業態開発のポイント!

業態開発では「全体の動き」と「各工程で何をするか」の設定をします。
想定通りに「現場をうまく動かす(オペレーション)」が課題となります。
まったく新しい業態の店を企画するときは、このオペレーションを「まったく新しく」企画することになります。
・できあがった「最後のかたち(全体が斬新)」が新しい
・どこかの「ある工程(部分に特徴づけ)」が新しい
新しさの組み込み方は、あなたのアイデアしだい。
新しいコンセプト店だからこそ生み出された、今までにない新しい工程(たとえばスタバのカスタマイズなど)は、差別力を持たせられます。
企画ポイントは
「つながった連続的な時間(工程)」をうまくつくり、
「新しい場面(シーン)」を生み出すことです。

店舗の構えの全体図は、マーケティング構造図です。

「業態開発」=「マーケティング(体制)の開発」であることがわかります。
開発は、こういった項目の新たな発見と組み合わせを企画します。
すべては
・経営者の事業意欲や使命感(こんな店がつくりたい)
・お客さまのニーズ(こんな店があればいい)
から始まります。
これらをマッチングさせ、市場に届けるのが「マーケティング」です。(K)

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