Planning Engineering Research Institute & Conceptual Lab

公益財団法人School Aid Japanのすごいところ2


公益活動支援第三弾
SSFC活動開始、そしてホームページ公開記念投稿:最終3-3
.
すべての社会貢献団体、そして支援をする方のために。
公益財団法人School Aid Japanのすごいところ2
(カンボジアで支援開始した頃の話)

2)個別の考え方:無いないづくしの状況の中で。

①「現地住民の受け身意識」対策
「建ててもらう」という気持ちが、一見、当事者意識が無いように思えてしま
います。そこに、「建ててあげる」という発想でやると、「建ててくれるのを
待つ」ことになり、「相手の自立心をもぎとる」ことにもなりかねません。
「何でもやってもらえる」こういった意識に気づいたのですが、これに対して「文句を言う」のではなく、協同事業として「できること(土地の確保など支援しにくいこと)は自分たちでやる」ことにしてもらいました。
・「用地の確保」や「盛り土作業」などの役割を分担してもらいました。
・「机と椅子の製作」など(材料費や工賃は支援するので)自作する
などを話し合い、「住民の参加意識」も醸成できました。
②「先生のいない学校」対策
当時は「教員が不足」の状態でした。校舎が出来ても先生がいないのでは授業が成立しません。国(州教育委員会)と交渉して、「ここに教員を派遣してもらえる」確約を得るまでは、支援決定をしませんでした。この確認をしないと「教員のいない学校」になってしまいます。
この状況は地方の州では現在でも続いています。現在では師範学校を卒業した先生が派遣されますが、まだまだ「教員の給料は低い」ので、教員も生活が大変です。「少ない給料」を補うためにバイトとして「補習で稼ぐ」ことが常態化していますが、「一概に否定できないこと」なのでそれを前提に考えます。
③「用地が無い」対策
用地は、「長老・村長さん・僧侶など」地域のリーダーが参加する自主管理組織「学校建設促進委員会」を設立してもらい、自分たちの問題として検討してもらいました。
「土地の購入」まではできません。雨季に水浸しにならない「場所の選定」、「土地の供出」などを支援地域側に担当してもらいました。
④「生徒がいない学校」対策
きちんと調査しないと、「来年入学の子供がいない」ことなどが発生します。
次期入学者(子どもの数)を把握し、「建設決定」と「建設する教室数」を決
めます。
来年以降「入学してくる子供」の実態調査を行い、次世代の子供がいない場合は、支援の緊急度を低くし、校舎は建設されません。
⑤「学用品が無い」対策
「教科書」は、原則支給されますが、「ノートや鉛筆」といった学用品は、自前です。食べものも、買えない家庭が大半で、学用品にまでまわりません。
これに対しては、後に「サポートプラン」を追加、「制服や学用品」を買えない家庭の子供」への支援を開始しました。
⑥「安全な水が無い」対策
水道なんてありません。各学校に建設と同時に「井戸(手漕ぎ式ポンプ)」を
掘りました。「ヒ素」の検査なども行い、安全性を確認するのですが、精度も
問題でしたが、あまり厳密な追求はできませんでした。
井戸は、「地域の住民の利用も可」としました。
後に(故障などのきっかけもあり)、「ポンプの金属部分」が盗まれてしまう
などの事件もありました。(後に、一番安全な雨水を貯める「水タンク」に変えました。)
⑦「女子生徒が登校しない」対策
「トイレが無い」、「トイレを使う習慣が無く、雑木林の中や丈の長い草陰で用を足す」のが当時の状況でした。トイレの無い学校では、高学年になると「女子の登校」が減少しました。トイレが無いことも原因とわかり、校舎とセットで設置することにしました。
⑧「男子生徒も登校しない」対策
女子生徒のトイレ問題だけでなく、「貧しすぎて、子供が働き手になってい
て、仕事をするので欠席が頻繁である」ことも問題でした。
「授業」のためには「生活支援が不可欠」とわかりました。
後に「お米支援(1家庭15Kg)」を追加、さらにWFPと連携して、「朝
給食支援」を開始しました(朝給食は絶大な効果で、結果、登校率(出席率)が95%に上がりした)。


※詳しくは「公益財団School Aid Japan」ホームページをご覧ください。

「SSFC公開記念投稿(第三弾)」KASEDA流まとめとして

事業の成功には、参入時に、この事業は「何をするつもりなのか(何屋なのか?)という事業ドメイン」を決め、「事業の推進を決意する」ことが、いかに大切であるかが、つくづく理解できました。
「校舎をつくってプレゼント」という簡単な話ではないことがわかります。
「お金を渡しておまかせ」は、寄附を受け取る支援団体側には大変ありがたいですが、“現地で支援事業を推進する側”では、「お金を渡しておまかせ」はタブーです。いただいた寄附の有効化のために、事業目的の達成のために、全方位で考える必要があるのです。

そして、こういった“難題への対応”は、支援コンセプトを「資金提供」や「校舎建設」ではなく、「学べる環境提供」と、コンセプトを明快に決めた時に必然的に決まったことでした。
支援開始から10年くらいたつと、支援地域も広がり、校舎の数も多くなっているので、「校舎の修繕(メンテナンス)」という課題がのしかかってきました。「建てて終わり」でなく、「メンテナンス」まで視野に入れると、その労力は、年を追うごとに「積算」されてゆくのです。

企業の売上拡大(組織の維持)と似たようなプレッシャー(寄附金の拡大・支援の継続性)が存在しています。コンセプトや理念が「きれいごと化」しないように、「宣言し、実践する」ことが肝心です。
的確なコンセプト設定は、継続すると「強み」に変えられます。

こういったことは、みな、公益財団School Aid Japanでの活動で学んだことです。あらためて、SAJのみなさん、活動の維持継続に頑張ってください。
一般社団法人Sumita Scholarship Foundation, Cambodia(SSFC) チームも、SAJでの経験を生かして、“日本一”めざしてがんばります。


一般社団法人SSFCはこちらから。
KASEDA流公益活動支援はこちらから
住田平吉ブログはこちらから

シェア・フォロー・拡散お願いします。
↓ ↓ ↓

PAGETOP
Copyright © KASEDA流 All Rights Reserved.
Powered by WordPress & BizVektor Theme by Vektor,Inc. technology.