(更新版)飲食店の基本ニーズとコンセプト

   2017/02/15


「ハレ」と「ケ」
・「ハレ(晴れ)」・・・「非日常(特別)」
・「ケ(褻)」・・・・・「日常(ふだん)」
この対極的な言葉の共存は可能なのか
コンセプト開発などでどう扱うか
飲食店では、お客さまは、このどちらかの理由(動機)で、ご来店し、いずれも「食事(飲む食べる)」をします。
本稿は、「ハレとケ」の解明が狙いではなく、「お客さまの(対極的な)食事ニーズ」に、どう応えるか。
レストランのコンセプト開発などでの「考えの展開の参考」に投稿しています。

その昔、「百貨店(デパート)の食堂」が、「お出かけ」の時の、「ハレの場での食事」という時代がありました。
70年代からブームとなった「郊外型ファミリーレストラン(FR)」のコンセプトも、当時は、「月に一度」の「家族で食事」の「ハレの場」でした。成長期の日本では、ニーズや流行などは、「国の政策(消費は美徳)」や「企業からの発信(豊かな生活)」で、固定的で「みんなが同じことを思う時代(思わされた時代)」でした。今では、「消費者のニーズは多様化」して、このような固定的:一方的な決め方では実態に合いません。誰も動いてくれません。

「ハレとケ」って、日本人の根っこにある文化(発想)でもある。
事業は、「お客さま第一主義」だから
・日常利用のレストランに、そのお客さまが「特別な意味を込めてご来店」となると、今日は「ハレの場」となる。
・とても日常利用の店とは思えない有名な高級店に、そのお客さまが「日常利用としてご来店」となると、そこでは「ケの食事」をしていることになる。
・ふだんの食事に、自分としての特別な意味を持たせ「(毎日が)ハレ」として行動する人」も居る。(この人の日々の食事は「ハレとケ」のどちらなのか。外食関係のひとには参考になると思います。Facebookです。)
「ハレとケ」を、お客さまの気持ちでなく、店側から見ると「おもてなし」をするってことは、全部を「ハレとして応対する」ってことでもある。どのようなサービスがベストになるだろうか。

KASEDA流では、
・「ケの食事」とは、「日常の空腹を満たす」ために食べること
・「ハレの食事」は、「儀式(形式)的」で、「何かのため」という意味がついて食べることが二次的な目的になること
と定義しておきます。
あなたの店のコンセプトが、空腹を満たす「食べものの提供」となったら、同じ胃袋を狙う、他の業種(スーパーやコンビニ、食品メーカーなど)が競合となってきます。

店の開発は、いろいろな「価値観、ライフスタイル、来店動機」を持った人々への生活提案です。
短絡的・一方的に決め込んでしまうと「不具合・混乱」が生じてしまいます。

店のコンセプト開発で肝心なことは、こうやって考えたことの「整合性」を確保することです。
・「誰に」→「主たる客層」を想定
・「何を」→「料理」と「食べる場」と「だんらんの場」の提供
・「何として」→「ファミリーレストランとして」
など、提供するものを、整理することになる。

誰に(顧客セグメント)
・「こんな人向け」というようにターゲットを絞り込んで「限定的対応(徹底的な“らしさの演出”)」をすれば、それを好まない人を排除します。
・「より多くの人々向けに」と「料理提供」だけに徹すれば、それを食べることだけを目的に、多種多様なお客さまがご来店します。

何を(商品コンセプト)
・あなたの提供する料理を、そのお客さまが、
「何として食べるか」
・あなたの演出した店舗を、そのお客さまが、
「何の場として利用するか」
は、お客さましだいなのです。
両極(両面)を持ったニーズ「ハレとケ」の見定めは、「店づくり(業態)」や「店のレベル(店格)」を決定するときの重要な要素なのです。多方面での検討をして、開発する店のコンセプトを決めてください。

何として提供するか(場のコンセプト)
・家族団らんのハレの場として「ファミリーレストラン」
・ビジネスマンのafter5の居場所として「居食屋」
みんなが、同じように思ってくれたら流行ります。同じような店が増えたら競争が激しくなり、似たような店が増え、生活レベルや、ハレの意識が変わると飽きられてしまいます。

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